眠らない街
ふとしたことで手に入れた旅行券を握り締めて私たち家族は空を飛んだ。当時まだ直行便がなく、ラスベガスに着いた時は日本を発ってから13時間も後のことだった。
ホテルに着いてまず驚いたのは、フロントまでの道がすべてカジノに囲まれているいうことだった。しかも、子供は一切近づくことができないよう警備員が何人も立っている。当時小学生だった私と、童顔で小柄な母までもがカジノを前にして立ち止まることすら許されなかった。
けれどそれでもラスベガスは私たちに【退屈】の二文字を思い起こさせることすらなかった。ラスベガスは、ホテル一つ一つがテーマパークなのだ。サーカスや海賊ショー、はたまたフラミンゴと食事など思考を凝らしたホテルのもてなしはカジノなどせずとも、とても魅力的だった。私たちは眠る暇もないほど遊びまわった。母は疲れて鼻血を出したが、眠らない街で私たちは確かに世界の広さを感じた。
ところで、ただ同然で海外旅行に行ける方法があるとしたら、あなたは知りたくないですか?